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本と映画とその他で雑多煮をします

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GODが語りだす世界の話。「モナドの領域」筒井康隆

 ※この記事にはタイトルの本の内容に触れる記述があります。

モナドの領域

モナドの領域

 

著者自らがが「わが最高傑作にして、おそらくは最後の長篇」と言っている本作品。

筒井康隆の話はパプリカを読んだことがあるだけでこれで2作目。

大変面白く読みました。
話の導入は推理小説かな、と思いますが、物語はGODの登場であらぬ方向に向かっていきます。
起承転結、物語の骨子がきちんと組み立てられ、GODの語る世界の話を通してぐいぐい物語の中に引っ張られます。

タイトルの【モナド】というのは哲学用語。
ちょうどこの時哲学の本を読んでいたので、そこも含めておもしろかったです。こうやって余所の本で得たものが他の本でリンクするのは読書のよいところだと思います。

さて、モナドゴットフリート・ライプニッツが作った語です。ここで哲学用語図鑑(田中正人 編集監修:斎藤哲也)から一部引用。

世界を精神的な存在と考えるならば、それを分割していくことができます。ライプニッツは、こうした精神的存在の原子に相当する概念をモナドと呼びます。そして世界はこのモナドが調和しあってできていると考えました。モナドは世界が最善になるようにあらかじめ神によってプログラミングされています。(P120)

といった感じで、「モナドの領域」というのはさしずめ「神のプログラミングの領域」、とでも言えられるのかなと思いますが、すきな人はタイトルだけでもわくわくするのではないでしょうか。

たくさん本を書いてこられたベテランだけあって、物語をきちんと読ませる、お勧めできる本です。