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なぜその商品を買ったのか説明できますか?「価格の心理学」リー・コールドウェル

 

価格の心理学 なぜ、カフェのコーヒーは「高い」と思わないのか?

価格の心理学 なぜ、カフェのコーヒーは「高い」と思わないのか?

  • 作者: リー・コールドウェル,武田玲子
  • 出版社/メーカー: 日本実業出版社
  • 発売日: 2013/02/15
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
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 「購買心理学」と「行動経済学」の観点からアプローチされた価格戦略の本です。

以前書いた「思考のトラップ」と系統が似た内容なんですけど、こちらではポジショニングやアンカリングなど価格設定における販売戦略について詳しく書かれています。

 価格を設定する立場にある小売業の方なんかにはもちろんなんですけど、無駄な買い物をしてしまうという消費者側が読んでもおもしろいです。

suzutomoq.hatenablog.com

 

商品を買ってもらうために様々な方法がとられている

中身は架空の商品、チョコレートポットの販売についてストーリー形式で書かれています。そのためどういった場面でどのような方法がとられているのかがわかりやすいです。

 例えば「保有効果」。わたしたちが保有したことない・触れたことがない商品よりも、一度保有した商品の方を評価する傾向があります。洋服屋さんなどで、試着をすると毎回買ってしまうといった経験はないですか?人は得るより失うことのほうが恐れる。

これを利用したのが返品(返金)サービス。気に入らなかったら返品してもらって大丈夫ですよというもの。これもやっぱり一度手にしてしまうとなかなか返品することができなくなっちゃうんですよね。

こないだ眼鏡の試着サービスっていうのがあって、家に眼鏡を届けてくれて一週間試着できるサービスなんですけど、これは絶対買っちゃうやつ…って思いました。

もうひとつ例、「無料効果」。通販などで配送料がかかる場合、配送料が高すぎるなと思ったら商品の代金が相応だとしても購入をやめたっていうこと結構経験あるんじゃないですかね。わたしはあります。

このとき何を考えているかというと、送料と商品代金についてそれぞれ個別に妥当かどうかってことを考えています。そうなると2回、判断が必要になる。そうすると購入をやめる確率も2倍になる。そこで送料無料と書いてあったら、商品の価格代金の妥当性だけ考えればいい。そうすることで消費者の購入までの障壁を減らすことができます。

本書で述べられてるほかのさまざまな方法は、あまり知らない商品を買うときや、非日常的な時(旅行とか)にはさらに無意識に誘導されやすい。確かによくわからない商品を買うときには、何か明確な基準が自分の中であるわけではないから引っかかるの致し方ない。

本当に必要なものだけを変える人間になりたいっすね。