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本と映画とその他で雑多煮をします

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皮肉な結末、近未来SF。「ガタカ」アンドリュー・ニコル

※この記事にはタイトルの映画の内容に触れる記述があります。 

ガタカ [DVD]

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遺伝子操作が可能・合法になり、優れた知能・体力・容姿を持った「適合者」と、自然妊娠で生まれる、病気になりやすく、あらゆる面で適合者より劣った「不適合者」が存在する 近未来SF。

主人公(ヴィンセント)は宇宙飛行士を目指すが、不適合者ゆえにその願いはかなわない。そこで、優秀な水泳選手でありながらも事故にあい選手生命を絶たれた男(ジェローム)の生体ID(血液や指紋、尿のサンプル)をDNAブローカーから買い、適合者として宇宙局「ガタカ」に入った。念願の宇宙飛行士にも選ばれたが、そこで上司が殺され事態が変化していくという話。

 

日本で公開されたのは1998年。18年前の映画ですが、今見ても十分見劣りしない。

今だともっと映像技術できれいなザ・SFな映像ができると思うんですけれども、あまりやりすぎない絵画のような美しい映像です。好き嫌いがありそうだけれども私は情緒があっていいなと思う。あとジェローム役のジュード・ロウがめちゃくちゃに美しくて「ハア?」となりました。ユマ・サーマンもめっちゃきれいで未来の人間という感じがすごかった。

 

適合者である人間たちは、適合者故の悩みを抱えている。

生まれた時から優秀で完璧に作られた人間たちはそのような結果を出さなければとプレッシャーに日々さいなまれている。

しかし、不適合者の主人公もまた、生まれた瞬間におおよその寿命、病気になる確率などを次々と読み上げられ、適合者にはないハンデを背負って生まれる。体毛を気にし、好きな女性と結ばれても、自分の抜け毛に気を取られ石で身体をこする場面はいたたまれない。

適合者の彼らは、どんどん不適合者であるはずのヴィンセントに協力していく。適合者で不適合者より優れた存在の彼らが、まるで自分たちが叶えられない夢を託すみたいに。そして最後に不適合者の彼は自分の夢をかなえる。しかしずっと協力してきたジェロームは最後には一生分のサンプルを残して死んでしまう。

ヴィンセントの言う「可能なんだ」という言葉が印象に残る。

いくら遺伝子をいじって優秀な人材を生んでも、遺伝子では得られないものがあるということを考えていた。前に進む力や、努力し続けること、言葉にすると陳腐になってしまうけれどもヴィンセントは自分が不適合者だからということでは諦めなかった。これは今の時代のハンディキャップがある人たちと健常者との関係も同じような感じがするなと思った。ハンディキャップがあるからといって、何かを諦めたりしない姿を見て私たちは心打たれる。果たして、見る側はどちらの立場からこの映画を見るのかな。

 

dTVではこの記事現在2016.5.31まで配信中です。

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