あなたの脳があなた自身を騙す方法。「思考のトラップ」デイヴィット・マクレイニー
※この記事にはタイトルの本の内容に触れる記述があります。
わたしは脳みその話がだいすき。
人に共通する思考のパターンや癖、認識、それが行動にどう影響を及ぼすのか、といった話がすきなんですね。行動科学や社会心理学とかかな。
そんなわたしにどストライクだったのがこの「思考のトラップ」という本。
(まじでおもしろい…)と思いながら美容院でパーマをあてられながら半分くらい読んだのを覚えてます。
48のやり方、と書かれている通り、48個の思考の癖(トラップ)を説明しています。
もともとは著者のブログを元に書籍化されているので項目のひとつひとつは短くまとめられていてこの手の本を読んだことない人にも、読みやすく楽しめる内容です。
きちんと自分自身で考えてるつもりだと思ってることが実はそんなこともない。
この本の中の一つに根本的帰属の誤りというものがあります。
これ自体はwikipediaにも載っているのでちょっと引用。
根本的な帰属の誤り(こんぽんてきなきぞくのあやまり、英: Fundamental attribution error)は、個人の行動を説明するにあたって、気質的または個性的な面を重視しすぎて、状況的な面を軽視しすぎる傾向を言う。対応バイアス(たいおうバイアス、英: Correspondence bias)とも。すなわち、人間は人の行動を根拠なくその人の「種類」によって決定されていると見る傾向があり、社会的かつ状況的な影響を軽視する傾向がある。また、自身の行動については逆の見方をする傾向がある。この矛盾を「行為者-観察者バイアス(Actor-Observer bias)」と呼ぶ。*1
書いてあることがちょっと難しく思えるので例をひとつ。
ダイエットができない女友達がいます。その女友達がダイエットをできないのは、女友達が怠惰で努力が足りないからだと思う。
けれども自分のダイエットが成功しないのは、世の中は美味しいものが溢れてて、おまけに家族や友達がそれを美味しそうに食べ、わたしにも勧めてくるからだ。
そんな風に思ったことはありませんか?
これが【根本的な帰属の誤り】っていうやつ。
他人の行動に関しては他人の人格や内面のせいだ、と思いがちで、自分のことに関しては周りの状況のせいだと思いがち、ということですね。
何となくこういうことってぼんやりと頭の隅に霞のようにあるんだけれども、こんな風にきちんと説明されるとその霞が個体になって掌に落ちるような感覚がたまらんってなる。
わたしたちは脳に騙されまくってる
こういった内容がずっと続くんですけど、当然自分の思考について全然自信が持てなくなってきます。でも、それを知ることによって、要らぬトラブルを避けたり、正しい行動を取れたり、思考のトラップに騙されにくくなることは必ずあると思う。
逆に他人が思考のトラップに騙されてるな!って感じることもある。
災害の時の思考についても少し書かれているので、地震が多い最近ではそのあたりは実践的に役立つこともあるかもしれません。
騙されないためには騙し方を学ぶところから、自分の思考を考え直す楽しめる一冊です。